釧路・根室エリアの冬は、朝晩に氷点下10℃前後まで冷え込む日があり、太平洋側の湿った雪が室外機に張りつきやすい地域です。夏は霧の日が多く、日中でも気温が上がりにくいため、冷房よりも暖房・除湿でエアコンをお使いになるご家庭が目立ちます。こうした環境に合わせたエアコン選びと設置の考え方をまとめました。
寒冷地仕様機の考え方
「寒冷地仕様」と呼ばれる機種は、外気温が低いときの暖房能力を高め、室外機の底面にヒーターを備えて霜取りの水が凍りにくくするなど、寒い地域で使うことを前提に設計されています。カタログでは「低温暖房能力(外気温2℃のときの能力)」という数字が目安になり、同じ畳数向けでも通常機種より大きな値になっています。
ただし、寒冷地仕様は本体価格が高く、室外機も大きめです。暖房の主力として使うのか、補助として使うのかで選び方が変わります。たとえば「寝室で朝晩だけ」「灯油ストーブと併用してリビング全体の底上げ」といった使い方なら、通常機種で十分なこともあります。お部屋の広さ・断熱の状況・他の暖房との組み合わせをうかがったうえで、無理に高い機種をおすすめすることはしません。
選ぶときに見るポイント
- 低温暖房能力:外気温2℃のときの暖房能力(kW)。お部屋の広さに対して余裕があるか
- 室外機の凍結防止ヒーター:底面ヒーターの有無。霜取りの水が底で凍って排水口をふさぐのを防ぎます
- 畳数の目安は「寒冷地」の欄:カタログの畳数目安は地域区分ごとに書かれています。本州の目安では釧路には小さすぎることがあります
- 電源:大きな能力の機種は200Vです。分電盤とコンセントの確認が必要です
室外機の設置:雪と凍結への備え
防雪フード
室外機の吸い込み口(背面・側面)と吹き出し口(前面)に雪が張りつくと、空気の流れが止まって暖房能力が落ち、最悪の場合は保護機能で運転が止まります。防雪フードは、吹き出し口の上に庇(ひさし)のように取り付けて、上からの雪や吹き込む雪を防ぐ部材です。風向きや軒下かどうかで、前面だけで良いか、側面・背面も必要かが変わります。
高置き架台
釧路市街は道内の他地域と比べて積雪は多くない地域ですが、屋根からの落雪や吹きだまりで室外機が埋まることはあります。地面から高く上げる架台に載せると、雪に埋まりにくく、霜取りの水の逃げ場も確保できます。壁面に架台で取り付ける方法もあり、地面の除雪の邪魔にならない利点があります。いずれも室外機の重さと、壁や地面の状態に合わせた固定が必要です。
ドレン(排水)の凍結対策
暖房運転中、室外機は霜取りのために水を出します。これが通路や玄関先で凍ると転倒の原因になり、排水口で凍ると室外機の底に氷がたまってファンに当たることがあります。対策としては、①水が落ちる先を通路から外す ②寒冷地仕様の底面ヒーターを活かす ③ドレンホースを長く引き回さない(引き回すと中で凍ります)といった点を、設置場所の写真を見ながら判断します。
そのほか気をつけていること
- 室内機の冷房時のドレンホースは屋外で凍ることはまれですが、先端が雪に埋もれないよう向きと高さを考えます
- 配管の保温材と化粧カバー:紫外線と凍結の繰り返しで保温材が傷みやすいため、外壁を長く通す場合は化粧カバーをおすすめすることがあります
- 海に近い地域では塩害で室外機の腐食が早まることがあります。耐塩害仕様の有無や、置き場所を海風から外せるかを考えます
よくある質問(寒冷地の設置)
普通のエアコンでも釧路の冬は暖まりますか?
一般的な機種は外気温が下がるほど暖房能力が落ち、氷点下10℃前後では本来の力が出にくくなります。暖房の主力として使うなら寒冷地仕様の機種をおすすめしますが、補助暖房として日中に使う、リビングは他の暖房と併用する、といった使い方であれば通常の機種でも問題ない場合があります。お部屋の広さと使い方を教えてください。
室外機は雪に埋まっても大丈夫ですか?
雪に埋まると空気が吸い込めず暖房が止まったり、湿った雪が凍りついてファンが回らなくなったりします。地面から高く上げる架台や防雪フードで、吸い込み口と吹き出し口をふさがないようにするのが基本です。
冬に室外機から水が出て凍っています。故障ですか?
暖房運転中は室外機に霜がつき、それを溶かす「霜取り運転」で水が出ます。これは正常な動作ですが、出た水が通路で凍ると危険ですので、ドレンの落ちる先を考えた設置や、機種によっては凍結防止のヒーターの利用をご提案します。